2017.09.01 ダミーロード 実験 B

 ドライアイスを使ってダミーロードを冷却する実験をしました。

茶筒の底にダミーロードをつけてみた。

 ドライアイスの昇華温度は-78.5℃で、昇華熱は573J/kgです。 このドライアイスの昇華現象を利用してみようと思い立ちまずは簡単な実験をしました。 円筒の茶筒があります。 ブリキ製です。 この茶筒の底に3mmの穴を二つ開け、外側にダミーロードをつけました。 茶筒の中にドライアイスを詰めれば、底板を通してダミーロードを冷却できます。

 早速実験です。 実験 Aで125Wの能力を確認しましたので、これ以上の能力でないと意味がありません。 手始めとして50V(50W)で始めました。 スイッチを入れる前のダミーロードの温度は-50℃ほどでした。 よく冷えていましたが、スイッチを入れるとみるみる温度が上昇して80℃を超えてしまいました。 熱伝導が良くないようです。 茶筒はブリキ製で厚さが1mmなので材料としては問題ないはずです。 しかし手抜かりでした。 茶筒はブリキ製ですが、筒の内外共きれいに塗装がされていました。 塗装が伝熱抵抗となり、冷却が不十分な状態のようです。 これほど塗装が伝熱の邪魔になるとは思いませんでした。 やはり、材料は吟味しなくてはいけません。 茶筒は使えませんでした。 アルミの弁当箱があれば塗装をはがしてテストしても良いのですが、その気力がありません。

ダミーロード(CPUクーラー・空冷用)をドライアイスで冷却

 実験 Aで使ったCPUクーラーをドライアイスで冷却してみました。 CPUクーラーを下の写真のボックスにドライアイスとともに入れて測定しました。 ダミーロードの熱で温まった空気が周りのドライアイスで冷却され、ファンで循環していますので、十分なドライアイス表面積があれば熱を除去できるはずです。

 実験とは違う話ですが、このボックスはANAN-8000DLEをインドから輸送するときに使われていたもので、厚さ5cmの発泡スチロールで作られてとても頑丈です。 このボックスを段ボールの箱に詰め、その外側にさらに発泡スチロール2cmほどで囲った上に段ボールで囲った2重の梱包で輸送されてきました。外側の段ボールは輸送中の傷がありましたが内側の段ボールは傷一つなく、Apache Labs社の丁寧な仕事に感心しました。

 グラフを見ると、170Wは十分に処理できます。 200Wを処理するには実験に使ったボックスでは少しドライアイスの蒸発する面積が足りないようです。 この実験に使ったボックスの内側のサイズは横49cm、奥行き38㎝、高さ14㎝ですので、横と奥行きをこの1.5倍ぐらいにすれば、ドライアイスの蒸発する表面積はダミーロードの発する熱に見合うものとなり、100℃以下で安定するはずです。 なんと連続200Wダミーロードが見えてきました。 

 ご承知のように、ドライアイスは炭酸ガス(CO2)です。 200Wのダミーロードを10分間冷却するのに必要なドライアイスは209gです。 密閉した室内では使わないようにしてください。

 参考までに、リンナイのガスコンロ(標準バーナー、発熱量2.97kw)を都市ガス(A13、45MJ/m3)で使うと1時間当たり525gのCO2が発生する計算です。



ダミーロードの実験と制作

 ダミーロードは終端抵抗で発生する熱をどのような方法で除去するかで、作製の難易、大きさや使い勝手が変わってきます。 どの方法にするか、3つの除熱法を実験し、制作しました。

結果は順次アップします。

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