2017.10.30 ANAN-8000DLE マイクアンプを追加

 ANAN-8000DLE用にソニーのボーカル用コンデンサーマイク(SONY ECM-PCV80U)を購入しました。 このマイク(SONY ECM-PCV80U)はANANに直接つなぐには、やや出力が小さい様です。 そのまま使う事も出来ますが、マイクアンプをつけて使うことにしました。


ECM-PCV80Uをマイクジャックに直接つないだ時、気になるのは暗雑音のレベル

 送信オーディオ系調整は「2017.09.16 ANAN-8000DLE 送信オーディオ系調整」にあるように、マニュアル通りに仕上がりました。 ECM-PCV80Uは感度を抑え気味に作られているようで、MICゲインはかなり大きくなっています。 このため、暗雑音も大きくなっています。 右の図は調整後の静かにしている時の暗雑音を示しています。 MIC出力は-35dBを示しています。 音声ピークのMIC出力を0dBを超えないように調整したので、SN比はちょうど35dBと言えます。

 -35dBの暗雑音は正常なレベルなのかをApache Labs社に問い合わせたら、
"This is normal behavior of the mic audio chain. The front panel mic gain is accomplished in the software with simple algorithm. For a better signal to noise ratio (SNR) try enabling the 20dB Mic Boost feature in Setup. This is a hardware preamplifier at the microphone input."
と言う回答でした。

 早速20dBブースターをOnにして、MICゲインを再調整してみました。 暗雑音出力は-38dBに改善されました。

SN比の値と雑音の程度

 雑音の交じった音声をSN比で定義したものはありませんが、「経験的にこのようにまとめられる」という記事がありました。 (http://a011w.broada.jp/gpae/on13.htmより引用)

SN比雑 音 の 程 度
10dB雑音が非常に大きく通話内容がやっと聞き取れる。
20dB雑音が大きいが通話内容は完全に聞き取れる。
40dB  雑音は殆ど無いが、音楽の弱音部や休止の時、雑音が少し気になる。
50dBこれ以上になると全く雑音を認めない。

 世界大百科事典には
【現在のFM放送では,SN比は55dBを許容値としている。この値は,送信側で種々の番組の音質に対して平均的に要求される標準で,ピアノや話声などのように雑音が耳につきやすい番組では,60dB以上のSN比を確保することが望ましいとされている。】
と記載があります。

 音楽鑑賞が目的のマイクならいざ知らず、通信目的のマイクであれば、SN比38dBは十分実用になるレベルです。 しかし、SN比をよくできればそれに越したことはありません。

マイクプリアンプは本体の外に置くのが良い

 ANAN-8000DLEにはハードのマイクプリアンプが組み込まれていますが、何しろトランシーバー本体はデジタル回路の塊です。 本体内での微弱信号の増幅はノイズを拾いますので、外にプリアンプをつければ手っ取り早く暗雑音を下げられそうです。

 オーデオテクニカのAT-MA2をマイクとトランシーバーの間に挿入し、再調整してみました。 MICゲインをずいぶん絞ることができ、暗雑音のMIC出力は-50dBと見違えるほどよくなりました。

通信には通信用マイクを使うべし

 ソニーのボーカル用コンデンサーマイク(SONY ECM-PCV80U)はやはり送信用ではないのでしょう。 通信用マイクは感度は一般的に高い設計をしているので、プリアンプなどを挿入しなくても、暗雑音を抑えられるでしょう。




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