今田元喜の冒険旅行

再びヨーロッパアルプス

 2010年。 これまでの規則正しい生活を支えていた会社勤めが終わり半年がたった。 いつかは来ることで覚悟もあったが、自分の軸となる部分が急になくなり、なにか雲にのっているようなふわふわした感覚になった記憶がある。  とりあえず毎日を無事に過ごし、毎日が日曜日に慣れていけば次第にふわふわ感はなくなっていくであろうと覚悟を決め体を動かすことだけは毎日続けた。  そして、半年たち落ち着いてきたところでこれまで無事勤め上げた宮仕えのご褒美として再びヨーロッパアルプスに挑戦することにした。

今度のツーリングはどこにしよう

 2008年のヨーロッパアルプスツーリングが大変楽しく、またチャレンジングなツーリングだった。 もう一度ヨーロッパに行ってみようと同じツアー会社のコースの中から面白そうなものを探してみた。

 リベリア半島、ギリシャ、エーゲ海など真っ青な海岸沿いや、明るい空、まぶしい太陽の下でのツーリングに心が動かされる。 ドイツやフランスのしっとりした景色やおいしい食事、ワインが楽しめるツーリングもまた良い。 しかし「未だ元気」。 やはりヨーロッパアルプスの山々を駆け回ろうと2つのコースに的を絞り込んだ。

 そのひとつはドイツのミュンヘンを出発し、オーストリア、リヒテンシュタイン、スイス、オーストリアと周りオーストリアを経由して再び戻る「The Ultimate Alps Tour」だ。 コースのグレードは「タフ」で乗車時間は「7~9時間」と前回の「中間」「6~8時間」よりそれぞれランクが1つ上がっている。 舗装道路が基本だが一部未舗装もある。

 もうひとつも経由する国は同じだがさらにランクが上がり、かなり細い山道を通るのが特徴で一日ひたすらオートバイに乗るだけの「Alps Extream」。 景色の良いところでゆっくりと休憩することはない。 もう一つの特徴は荷物を次のホテルに送るバンが付かず、オートバイの荷物ケースに積んだものだけで1週間走るとこだ。 したがってこのコースではツインライディングや夫婦での参加はないだろうと想像する。

 さて、どちらに参加しようかと少し悩んだが良い解答を見つけた。 今の自分は時間がたっぷりある身分だ。 無事勤め上げた宮仕えのご褒美に、少し贅沢して、「The Ultimate Alps Tour」に参加し一旦帰国し疲れを取ってから次の「Alps Extream」に参加することにしよう。

The Ultimate Alps Tour

 このツアーの特徴をまとめると、

  1. 実施時期 5月から9月まで
  2. スタート/ゴール ドイツのミュンヘン
  3. コースグレードは「タフ」で乗車時間は「7~9時間」
  4. 期間 7日間で途中1日休養日がある
  5. 全走行距離 1350Km~1590Km、 1日の走行距離は90Km~270Km
  6. ドイツ、オーストリア、スイス、イタリアにまたがるヨーロッパアルプスの峠道をとおる。
  7. オートバイにはその日に必要な物だけを積み、残りの荷物は同行するバンで次のホテルに輸送する。
  8. このコースにはオプションで「山岳コースのための1日トレーニングスクール」が用意されている。
  • 前々日 日本からドイツ・ミュンヘン空港へ移動。 空港近くのエルディング①泊
  • 前日 時差に慣れるため、休養。ミュンヘン市内②観光で過ごしエルディング泊。 夜にツーリング参加者全員集合。
  • 初日 オートバイに慣れ、ドイツの道に慣れるため田舎道を使い郊外に。 さらにアウトバーンを使い南下。 リンダーホッフ城③を経由しオーストリアのワース泊
  • 2日 山岳道路(オーストリアのフルカ峠、スイスのクラウゼン峠)をこなし、リヒテンシュタイン公国④を通りスイスのルツェルン湖⑤畔泊
  • 3日 アンデルマット地方のズステン峠、フルカ峠をこなし、マッターホルン⑥の麓町ツェルマット泊
  • 4日 シンプロン峠を越えイタリアに入る。 再び半島のように出ばったスイスのルガーノに入るが雰囲気はイタリアだ。 スイスのルガーノ泊
  • 5日 イタリアに入りヨーロッパでもっとも美しいといわれるマッジョーレ湖⑦、コモ湖⑧の連なる湖水地方を走り、アプリーカ峠をこなしボルツァーノ泊
  • 6日 今日は休養日。 だが走りたいものは今日もツーリング
  • 7日 アルプスでもっとも有名なペンザー峠、ヨーヘン峠、ティンメル峠の3連発。 たっぷり楽しんでオーストリアのキュータイ泊
  • 8日 最終日はクールダウン。 峠はないがオーストリアからドイツへは古い街道を走り、アウトバーンに出て一路ミュンヘン郊外のエルディングへ。 最終日はみんなで打ち上げ。 エルディング泊。
  • 翌日 朝解散。 三々五々帰国。

前々日 ミュンヘン郊外のエルディングへ

 2010年7月7日。 ドイツのミュンヘンに向け出発。 いつもであれば乗り継ぎの格安航空券でいくところだが、久しぶりにANAの直行便を利用することになった。 正午前に成田を出た飛行機は順調に飛行しミュンヘンにはその日の午後5時についた。 空港からホテルまではタクシーで15分ほど。 運転手からエルディングで仕事かと聞かれたが、「オートバイに乗りに来た。」というと「それはうらやましい。 十分楽しいツーリングを」とお世辞を言われた。 まもなくホテルに着きチェックイン。

エルディングの町を散策

 ホテルの部屋に荷物を置き、ぶらぶらと町を散策。 エルディングはミュンヘンの東北郊外に位置し周りは農地に囲まれ、赤い屋根の家が並んだ静かな小さな町。 ホテル前の道路も時折車が通るほどで、ゆったりとした時間が流れている。

 ドイツではその町毎に地ビールがあるそうだがエルディングもその名を冠したビールがあった。 ちょうどサッカー世界大会があり、街中の広場が応援席、ビアガーデンに早変りしてテレビ中継を見ながらの歓声が上がっていた。 小1時間周りを散策したあとホテルに戻り夕食をとり就寝。

前日 ミュンヘンに出かける

 8日も良い天気である。 日本からヨーロッパへ移動して、時差が7時間あるので、ドイツの朝9時は日本では午後4時だ。 今日一日は頭は使わず体を動かす時差ぼけ解消の日である。 ミュンヘンの街に行き、ぶらぶらと街中を散歩し昼食はビヤホールで取るつもりだ。 夕方からホテルで今度のツーリングのブリーフィングがあるが、それまではゆったりと過ごせる。

 エルディングの北隣にはドイツで2番目に大きい空軍航空基地があり、そこまでミュンヘンから鉄道線路が伸びている。 そこからミュンヘンまで1時間に1本電車が走っているので、電車で往復しよう。 朝、9時過ぎにホテルを出て電車の駅まで歩いた。 住宅街なので静かで人通りも殆ど無い。 ここはミュンヘンへ通う勤労者と農業の町なのだろう。

電車の切符は自分で日付を印刷

 30分程住宅街を歩くと小さな駅に着いた。 駅には改札もないが切符を販売するところもない。 駅員もいない無人駅だ。 すでに通勤時間を過ぎているので電車に乗る人も見当たらない。 キオスクがあり店員に尋ねると切符はここで売っているというのでミュンヘンまでの往復切符を買う。 店員が「ホームに機械がある。 電車に乗る前に必ずこの機械に切符を入れてから電車に乗るように」と念を押すように教えてくれた。 今買った切符をなぜ機械に入れないといけないのか理解しないままホームに。 ホームで電車を待っていると子供を連れたご婦人が来て、ホームにあるポストのような機械に切符を入れて取り出した。 キオスクの店員が念を押すように説明した機械がこれのようだ。 見よう見まねで切符を入れると音がした。 切符を見ると今日の日時が切符に印刷されている。 「ほー」、これで切符は有効な切符になったみたいだ。 日本では切符を買う時に日付が印刷されているのだが、ドイツでは違うようだ。

車内検札

 普通電車に乗り数駅過ぎたあたりで車内検札があった。 女性車掌が切符に印字があるのを確認している。 ヨーロッパでは切符を買わなくても自由にホームに出入りできるし、普通列車では検札が必ずあるわけではない。 検札に会わないのをよいことに、日付の印刷されていない乗車券のままで乗車しても、それは無賃乗車と同じだ。 日本では検札の時に運賃を払うこともできるかもしれないが、ドイツではそんな扱いは期待しないほうが良い。 プラットホームで機械に乗車券を入れ、日付を印刷していたおかげで、検札は無事クリア。 ホームで必ず印字するように教えてくれたキオスクの店員に感謝。 車外はのどかな農村風景から市街地に変わり、1時間ほどで電車はミュンヘンの町中に来たようだ。

ミュンヘンといえばビール

 ミュンヘンのビールといえば、ホーフブロイハウス! ホーフブロイハウスは16世紀末に王室御用達のビール醸造所として作られ、1897年にはビアホールとしてオープンした歴史のある老舗のビアホールである。 ホーフブロイハウスに行くため、市の中央にあるマリエン広場駅で下車。 マリエン広場は周りに観光スポットも多く観光客でいっぱいである。 しばらく歩き、早めの昼食を兼ねたドイツビールを楽しむホーフブロイハウスに到着。 以前カミさんとここで食事をしたが、日本の感覚で注文したらすべてのメニューが日本のボリュームの数倍で、食べきれなかった。 ここでは一杯のビール(1Lグラスしかない)と一品で十分だ。 一人で入っても楽しいビアホールで、ミュンヘンに来た時お勧めの立ち寄り場所である。

 ドイツビールを飲んでご機嫌になり、食後はミュンヘン・レジデンツ(旧バイエルン王国の王宮で、現在は博物館)の展示品をゆっくりと鑑賞。 豪華なホールや装飾品にも目を奪われるが、イギリスの武骨な機械に比べドイツの機械はひと際美しいと思う。 写真は調速機の付いた初期のスチームエンジン。 一回りした後電車に乗りホテルに戻った。

ツアー ブリーフィング オートバイのキーを紛失

 午後5時。 ツアーの参加者がホテルのミーティングルームに集まった。 アメリカから9名、グアテマラから6名、カナダから2名、日本から1名の合計18名。 うち夫婦参加が7組14名と過半数だ。 ラテンアメリカのグアテマラからの参加者はとても明るくにぎやかでもうお祭りのような状態だ。 全体に参加者の年齢は若く、最年長ではないものの私は年長組みの一人のようだ。

 自己紹介の後ツアーガイドのフランクがオートバイのキーを渡し地下駐車場でオートバイの確認を済ませた。 そのあとミーティングルームに戻りコースの説明や毎日の段取りの説明があり解散した。 部屋に戻り書類を仕舞い、キーを捜すが見つからない! ポケットを探すも、忘れていないかとミーティングルームに戻り探したり、部屋中を探すも見つからない。 階段や廊下も探したが見つからない。 従業員が見つけているかと思いフロントに行って聞いても無いという。

 もう一度地下駐車場からミーティングルームまで探しても見つからないのでツアーガイドのフランクにキーが見つからないと言いにいった。 「もう一度くまなく探してくれ。無ければ明日一緒に探そう」という。 まじめにもう一度自分の通ったところやミーティングルームを探したが、見つからず、疲れてしまった。 夕食をとったときも上の空で味も覚えていない。 部屋に戻りもう一度持ち物をひっくり返し探した後、万策尽きて寝るも、明朝キーが見つからねばツーリングに出られなのではと、色々と想像しなかなか寝付けない夜となった。 どうなるのだろう?

初日 オーストリア ワースへ

 7月9日 ツーリングの第1日目の朝が来た。 快晴だが、キーが見当たらなかったので気の重い。 朝食をとりにいくとガイドのフランクと会った。 キーが見つからなかったことを言うと彼はポケットからキーを取り出し、これは予備のキーだから絶対に無くするなといいながら渡してくれた。 申し訳ない気持ちとやれやれという気持ちが混じった複雑な感覚だがオートバイを使えるので一安心。 食事を済ませ、今日から8日間のツーリングのために気持ちを切り替える。

 左端が私。 その隣がフランク。 右端がカナダからの参加者A&L 夫妻。

うっそー。 キーがあった!

 部屋に戻り荷物をまとめて旅行ケースをロビーに並べておく。 これは後から出るバンが回収して次のホテルに送る手はずである。 オートバイに持ち込むのは地図や手袋ほかその日に使うものだけで済む。

 ミーティングルームに戻り、今日走る道を自分の地図に転記するといよいよ出発だ。 オートバイを取りに地下駐車場に降りていくとフランクが手にキーを持ってニヤニヤしながら待っている。
 「何?」
 「魔法を使ってキーを探したよ。」と私が無くしたキーを渡してくれた。

 参加者の一人が「どういうわけか自分のポケットにキーが二つある」といって先ほどフランクに渡したそうだ。 フランクに言わせるとミーティングルームで自分のものと思い込んで私のキーもポケットに入れたのだろうとのこと。 「ふざけた野郎だ」と思うが、悪気があってした事ではない。 「誰だ?」と尋ねることもせず予備キーと交換した。

 気分一新。 これからの楽しいツーリングの準備に取り掛かる。 私の今回使うオートバイは「BMW R 1200SG」、赤いフェンダーのきれいな車体だ。

いよいよ出発

 準備が終わったオートバイからエンジンを始動し順次地上にでる。 全員そろってから出発するのだが、早くも外に出る時間かと気がはやる。 荷物をバッグに入れ、ヘルメットをかぶる。 あご紐を締め、手袋をはめると準備も終わりだ。 エンジンをかけて外に出る。 それぞれ準備を終えたオートバイは道路横に待機して、全員そろうのを待ち、ガイドのフランクの合図で彼を先頭に出発した。

 田舎道を通りエルディングの町から一路南下。 ツーリング初日はオートバイに慣れることとオートバイの一団が通行の邪魔をせずスムーズに進むようにまとまることである。 田舎道は交通量も少ない。 ガイドはスピードを抑え気味て進む。 農地の広がる田園地帯を走り、ミュンヘンを回り込むように田園地帯を小1時間。 マルクト・シュヴァーベン、アイイング、ザウアーラッハという小さな村を経て次第にスピードを上げストレスなく一団は走る。 ヴォルフラ-ツハウゼンから高速道路E533に入り、一気にスピードを上げ流れに乗ってさらに南下しバイエルン地方の平野から徐々にアルプスのふもとの町にでるとオーバーアウからアウトバーンを走る。

エッタール修道院

 オーバーアウからリンダーホッフ城を通りロイテの町までは2008年のツーリングと同じコースである。  一度走っただけだが景色は覚えているものだ。 アウトバーンを降りると、ややきつい上りでカーブも多いが大型トラックも走る国道23号の山道に変わった。 出発して2時間ほどになる。 坂を上りきったところにエッタール修道院があり、ここで一休みして修道院の庭を散策。

 エッタールから国道をはずれリンダーホッフ城への道に入ると両側は山にかこまれた川筋の細道である。 時折対向車があるもののすばらしい景色の道だ。 リンダーホッフ城(前ツーリングを参照)の見学のあとさらにロイテへの道を走る。

 オートバイに乗って団体で走り回るツーリングでは良い景色があっても勝手に止まる訳にも行かず写真を撮れない。 今回のツーリングではカナダから参加のA&L 夫妻は、ご主人がヘルメットに取り付けたカメラでツーリング期間中の映像を撮っていた。 それを1時間ほどのDVDにして送ってくれたので、リンダーホッフ城からの街道を気持ちよくツーリングしている映像を紹介。(以下の挿入動画はすべてA&L夫妻のビデオです。)

ピクニックランチ

 リンダーホッフ城を出発するとすぐ国境だが、どこが国境かもわからないうちにオーストリア領になりブラン湖畔についた。 そこでパンや生ハム、各種チーズ、サラダに飲み物が用意されたピクニックランチである。 画面が時々左右に動くのはヘルメットカメラで撮影しているためである。(ドライバーが視線を動かすと頭が動き、カメラも同じ動きをする。)

 もちろん自分で用意するのではなく我々の荷物を積みツアーに付いてくるバンの運転手が先回りして待機しセットアップを終わったところにわれわらが到着し、ピクニック気分で食べるのだからこんな贅沢なことはない。

 アルプスの山麓、きれいな空気の中、静かな湖畔でランチを取り、食後十分に休憩してからロイテの町を抜けると初日の山道にとりかかる。 初日はオートバイに良くなじむことであり極端な山道ではないものの、ビヒルバッハからシュタンツァッハに抜けるベルヴァングスキー場を通りナムロスという村を通る細い山道(L21)を走破。

 そしてもうひとつL266道路をハーンテン峠(これは前回走ったことのある峠)の頂上まで登り、登ってきた道を引き返して西にワースまで一気に走った。

2日 スイスのルツェルン湖へ

 今日オーストリアのワースを出てリヒテンシュタイン公国を通り、スイスのルツェルン湖畔まで走る。 アルプスの峠道(オーストリアのフルカヨッホとスイスのクラウゼン峠)が今日のハイライト。

アルプスはチーズとハムは地方ごとに豊富

 ワースはスキーの町で、町の周りにスキー場がいくつもあり冬には相当にぎわうのであろう。 朝、外はうす曇。朝食は酪農の盛んな国だけあり朝からハムやチーズが何種類も出ていた。 どれもうまそうで、何を食べようかと迷ってしまう。 パンにハムとたっぷりのチーズ、そしてサラダをはさみ、食べた。 私はドイツパンが苦手で日本でもフランスパンか白パンだが、ここはスイスでもドイツ語を話す地域である。 当然ドイツパンしかなく、チーズとハムでごまかして食べることにした。

オーストリアのフルカヨッホ

 最初に目指すのはオーストリアのフルカヨッホ。

 ワースを出発すると、ホッホクルンバッハ、ショペルナウ、ヴァリスガーデンなどオーストリア屈指のスキー場があるオーストリアアルプス山脈の麓道を抜け、ダーミュルスからランクヴァイルまで, タイトターンのない平坦な山越えである。

リヒテンシュタイン公国、スイスのクラウゼン峠

 このツアーでは昼食は道沿いのレストランで取るのだが、2回はピクニックランチ。 今日も昼食は峠道を降りた林の木陰でのピクニックランチであった。

 フルカ峠を降りると、リヒテンシュタイン公国。 リヒテンシュタインは公用語がドイツ語で、オーストリアとスイスの間に位置する全長 25 km、人口はわずか35,000人弱とミニ国家である。 通貨はスイスフランなので、我々は土産物を買うと、スイス通貨のコインがポケットに溜ってしまう。

 リヒテンシュタインから南下し、ヴァレン湖畔を西へと走り、湖畔が終わると再び南下。 グラールスからクラウゼン峠に入り今日2回目の山越えである。 湖が見えるともうすぐルツェルン湖畔の宿である。

3日 ヨーロッパの名峰マッターホルンの麓町ツェルマットへ

 ルツェルン湖畔から南下し、アンデルマット地方のズステン峠、フルカ峠をこなし、マッターホルンの麓町ツェルマットまで約170Kmのツーリングです。

 今日からアルプスのタイトターン連続の峠道を走ります。 スズテン峠の動画

フルカ峠

ツェルマット

4日 イタリア北部 シンプローン峠を走り再びスイスのルガーノへ

 アルプスは今日も快晴。 朝ホテルを出て散歩しながらマッターホルンの朝焼けを眺めた。 はじめは薄暗いマッターホルンの頂上に日が差すと山頂は赤く染まり、日が昇るにつれ徐々に白みが増し、すっかり夜が明けると美しい白いマッターホルンとなった。

シンプローン峠

イタリアのマッジョーレ湖へ抜ける山道

 今日は再びスイスに戻るが、ツェルマットを出て東に東に進んでいて、たまたまイタリアとスイスの国境がいる組んでいる地域であった。 昔は国境もあったのかもしれないが、今はスイスではユーロを使えない時だけヨーロッパのなかの違う国であると感じるだけ。 毎日ぐるぐると峠を越えると今どこを走っているかわからなくなってきた。

 イタリアに入りヨーロッパでもっとも美しいといわれるマッジョーレ湖、コモ湖と連なった湖水地方を走り、ルガーノ(Lugano)泊。

5日 イタリア 南チロルのボルツァーノへ

 北イタリア(南チロル)のガヴィア峠(Passo Gavia)をこなし、ボルミオ(Bormio)の町を過ぎると、アルプスで最も有名なステルビオ峠です。

ガヴィア峠

ボルミオからステルビオ峠への上り

 ステルビオ峠は2008年のツアーで来たところであり2回目だ。 タフな峠だが、ここは何度来ても楽しい。

頂上で休憩。よくおしゃべりしたカナダからの参加者

これから下る峠からの風景

ステルビオ峠からスポンディニアへの下り

6日 休息日 しかし、オートバイで走る

 5日もヨーロッパアルプスの峠道を走ったので、今日は休息日でボルツァーノの同じホテルに泊まる。 ホテルでごろごろしてもよし。 町の中央広場の店のウインドーショッピングもよし。 そひて、せっかくだからバイクで出かけてもよし。 ツアーリーダーがガイドしてのおよそ200Kmほどの距離を軽く走ってくるもよし。 夫婦での参加者には町でぶらぶらする人たちもいたが、大半がツアーリーダーとともにオートバイで出かけた。

休憩

7日 ペンサー峠(Penser Joch)、ヨーフェン峠(Passo di Monte Giovo)、ティンメル峠(Passo del Rombo)

 今日の峠越えは2008年の最初のアルプス訪問時の4日目のコースの逆走となった。 これらの峠もアルプスの峠越えの人気のコースである。

 この地域はドロミテと言われる地方で山も独特でドロミテ街道とも呼ばれ観光客も多い。

8日 最終日 スタートのドイツ・エルディングへ

 峠はないがオーストリアからドイツへは古い街道を走り、アウトバーンに出て一路ミュンヘン郊外のエルディングへ。 最終日はみんなで打ち上げ。

動画の最初に出てくる二人がこのツアーのリーダーとサブ。 この二人の司会で打ち上げは大いに盛り上がりました。 翌日、それぞれの国へ三々五々解散。