2024.01.21 台湾旅行6日目 集集緑色隧道

 今回の台湾訪問の目的の一つが集集緑色隧道をウォーキングすること。集集緑色隧道は台中の南にある集集町へ通じる隧道である。

 台中からおよそ40Kmほど南下した二水駅から集集線と呼ばれる支線が濁水渓沿いに中央山脈の方向に30Kmほど延びている。2020年に台湾一周鉄道の旅をした時、この集集線にも乗ったが、その時の沿線の風景が美しかった。線路の横を並走している道路は大きな並木に覆われた緑のトンネルの様で、風景を愛でながらこの道をのんびりとウォーキングしてみたいと感じた。「もう一度台湾を訪問出来たら、ぜひともこの道を歩こう」とひそかに思っていた。

台中21

 今日は4年越しにこの思い出の緑のトンネルを散歩する予定だ。グーグルマップには集集緑色隧道の地名とカメラマークが表示されているので絶景ポイントに違いない。隧道の距離はおよそ5Kmとウォーキングに丁度良い距離だ。

カミさんは集集線の終点の水里駅まで行きバードウォッチングをする予定である。二人とも鉄道に乗れるのと、長年の願いが実現しそうで今日はテンションが高い。

列車に乗り遅れた

 台中駅を9時25分発の普通電車に乗るつもりだったが、9時前にはもうプラットホームに着いてしまった。早かったのでホームのベンチで一休み。カミさんは隣に座った婦人が大きな三脚を持っているので「カメラマンですか」と声をかけ話し出している。電車が来たのでカミさんに声をかけ立ち上がると、到着したのは5分前に出る特急電車であった。「なーんだ。次の列車だ。」と話していると、座っていたベンチに切符が2枚ある。みると今日発売の切符の落とし物である。隣の婦人に見てもらっても、やはり有効な切符だ。「ああだ。こうだ」と3人で話していると、列車のドアが閉まる音がする。「ああ、特急が出発するのか」と見ると出発するのは乗る予定の普通電車ではないか!

 我々も慌てたが、ご婦人も慌てた。この列車に乗るつもりだったが、落とし物の切符に気をとられて乗りそこなった。

 ご婦人が慌てて「何処に行くつもりか?」と聞いて目的の水里駅までの次の時刻をスマートフォンで調べてくれる。色々と心配してくれるが、次の電車が水里に着くのは13時前。私がウォーキングを始めるには少し遅い。乗り損ねたのは自分たちのミス。ご婦人が気を使ってくれるが、必ず今日水里まで行かなければならない訳ではなく、明日集集緑色隧道に行っても全く構わない自由な身なのでご心配ご無用です。ご婦人に心配をかけたお礼を言って駅を出た。

結局バスで水里駅へ

 さて、今日の目的地を水里から明日行く予定の日月潭と切り替えようか。バスは台中駅から少し歩いた所。日月潭は有名な観光地でバスが頻繁に出発する。予定を切り替えるのも自由自在、今日の目的地は日月潭。駅を出て、古い商店街を抜け、広々とした道路にでると、そこには長距離バスのバス停が並んでいる。ひとつずつ確認しながら歩くと漸く日月潭行きのバス停を見つけました。出発時刻を調べようと付近を調べていたら、なんと隣が水里駅行きのバス停。 おやおや、出発時間は?到着時間は?。

 次のバスの水里到着は11時半。 おお!これなら水里まで行ってもいいかな?。変わり身の早いのも自由な身の特権。集集緑色隧道でのウォーキングは次の機会の楽しみに残し、水里の町を散歩することにした。

 到着したのはスプリングの固い路線バスではなくリムジンバス。乗客は我々を含め5名。乗客は少ないが、豪華なバスを使うとは台湾の景気の好調を感じた。路線バスなのでバスは台中の中のバス停を次々に停まり客を拾う。郊外に出ると高速道路を走り出した。これなら電車より早いだろうと納得。

バスで集集緑色隧道を通る

 濁水渓で高速を降り、川沿いに一般道を水里まで行くと思ったら、なんとバスは集集緑色隧道に入っていった。新しくできた一般道は道沿いに人家がない。人家は鉄道線路と古い集集緑色隧道沿いにあるので、路線バスであれば人家のある道沿いを走るのが経済原則。思いもかけず緑のトンネルをバスで通り、半分満足です。途中で叔母さんが降りたり、若者が乗ってきたりと生活に密着した路線です。予定通りに11時半に水里の町に到着しました。

水里

 水里の町は山裾の古くからある小ざっぱりした町です。バスで来た観光客は我々を含め3名だが、自動車で来る観光客がほとんどの様で、自動車と観光客は多い。

 もうすぐ12時。駅前の食堂で昼食。台湾に限らず中国人は食にはこだわりが強いようです。日本ではうどんを食べても、ラーメンを食べても、注文時に麺の種類は?とか味付けは?肉の種類は?と聞かれることはありません。しかし中国人は食材から、炒め方や味付けまだ一人ひとり注文するのが当たり前。

 日本の習慣で注文すると面喰います。 麺は何か?との問いがあり、黄色い麺、白いちじれ麺、ストレートの太い麺など幾つもあり、トッピングの肉も何がよいかと一つ一つ聞いてきます。地元の人は一つ一つ自分の好みを注文するのに驚きました。さて我々は、隣のテーブルを指して、「これをください」というが、許してくれません。結論はあれこれと適当に指して注文。味も何もかもお任せが当たり前の我々にはこの注文の仕方は荷が重い。

水里・昼食

 何を注文しているのかもわからないままに注文を終わり、出てきたのは、おいしく食べられました。

 腹ごしらえを終わり、カミさんは川沿いでバードウォッチング。私は水里の町を散歩です。

水里・散歩

 水里駅から町のメインストリートを真っすぐに歩きました。さすがに土産物屋が多い中に、植物の土産物屋がありました。都会に住む人にはいい土産なのでしょう。

水里・土産物屋

 橋を渡ると上り坂で住宅街やお寺があり、住宅街を抜け広い自動車道にでました。この辺りには作業場がいくつかあり、中からはチョキチョキというリズミカルな音がしています。

水里・工場

 作業しているのは木の実を一つずつハサミで切り離していました。これは何でしょう?

工場・木の実

 檳榔の実です。昔はかなり多く消費されていたようですが、田舎ではまだ需要があるようで、この地域には工場と問屋が見られます。

 裏道を駅に戻ります。その途中で長い行列のある店がありました。何の店でしょう?

行列の店

 昨日初めて食べた「バーワン」です。観光の途中にちょっと立ち寄り「おやつにバーワン」を食べるのでしょう。台湾の人は本当にこの食べ物が好きなようです。

水里・バーワン

 帰りのバスは完璧な路線バス。リムジンとは違うが、高速道路をけなげに走り、無事に台中に戻った。今日は朝からハプニングがあったが、これも旅の楽しみの一つ。

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