Kindleフォーマットの電子書籍を試作してみる
AmazonのKindleストアで販売する電子書籍は世界標準のEPUB形式ではなく、Amazon固有のmobi形式といわれるものです。 前節で試作した電子書籍「試作」は表紙などをつけていないので完全な書籍ではありませんが、mobi変換を体験してみましょう。
mobi変換をするソフト Kindle Previewerがおすすめ
EPUB形式をmobi形式に変換する為に、Amazonは次のようなソフトウェア提供しており、いずれも無料でダウンロードできます。
- Kindle Create
EPUB形式の他に.doc/.docx形式の原稿をインポート出来ます。 Microsoft Wordで作ったファイルを直接mobi形式に変更できるのはとても魅力です。 残念ながら2018年7月の時点では英語などには提供されていますが、日本語はサポートされていません。 - KindleGen
KindleGen は、EPUB形式ファイルをインポートしてmobi形式にするソフトウェアで、ローカルでのプレビューや QA チェックに使用するコマンド ライン ツールです。 コマンド ライン に慣れた方には向いています。 mobi変換の基本的なソフトウェアです。 - Kindle Previewer
Kindle Previewer は、本が Kindle の端末やアプリケーションでどのように表示されるかを確認するためのアプリケーションです。 本のレイアウトを簡単にプレビューし、コンテンツの方向やフォントのサイズが適切に表示されているかを確認できます。 Kindle PreviewerにはKindleGenが組み込まれており、EPUB形式のファイルをインポートしてmobi形式ファイルをエクスポートできます。 コマンド ラインを使わないのが、特徴です。
Kindle Previewer のインストール
Kindle Previewer は Kindle Direct Publishing のサイトの中の KDP ツールとリソース からプレビューア(KindlePreviewerInstaller.exe)ファイルをダウンロードします。 ダウンロードしたexeファイルをダブルクリックして、インストールを開始します。
mobiファイルへ変換し、変換したファイルを見ます
インストールしたKindle Previewerを使い、「試作」(aa.epub 又は aaSigil.epub)をmobi形式に変換します。
- Kindle Previewer を起動します。
- 「本を開いてプレビューする」をクリックしてください。
- 変換目標のファイルがあるフォルダーを選択します。 この節では作業フォルダー「EP」です。
- 変換目標のファイルが見つかったら、そのファイルを選択します。 この節ではaa.epub又はaaSigil.epubです。
- ファイルを選択したら「開く」ボタンを押してください。 KindleGenが起動し、ファイルのインポートと変換が始まります。
- しばらく変換が続きます。 変換が終わると、ビューアー窓に変換後の本が表示されます。
- mobi形式ファイルを保存ましょう。 ツールバーの{ファイル}→{イクスポート}と選択し、「EP」フォルダーにaa.mobi又はaaSigil.mobiを保存してください。
次はプレビューアーで電子書籍の表示具合を確認してみましょう。 - 左側の{プレビューオプション}の{端末も種類}を「タブレット」⇒「スマートフォン」⇒「Kindle端末」と変更してプレビューアーに表示された画面が変わるのを確認してください。
- 次は、左側の{プレビューオプション}の{サイズ}を変更してください。 プレビューアーの画面で一行の文字数が変わります。 リフローの機能です。
- 次は、NCX目次を見ましょう。 左側に目次があります。 「すべてを展開する」をクリックし、表示された目次の一つをクリックし、プレビューアーの表示画面が切り替わるのを確認してください。
- 同様のことが、目次ページ(HTML目次)からもできますので試してください
- 最後に、mobi変換時のログを見てみましょう。 ツールバーの{表示}⇒{変換ログ}をクリックするとログが表示されます。 変換が正常時出来なかった項目には「警告」が出ています。
電子書籍は変換時にでる警告をなくし、欠陥のないものにしましょう
KindleGenを使ってKindleフォーマットの電子書籍を作り、Kindle端末で表示されるのを確認できました。 しかし、今回試作のePub電子書籍はまだまだ骨だけのものです。 一応Kindl端末で見ることができるまでになりましたが、まだいろいろ不足している情報がありKindlegenが変換作業をする途中で「警告」を出しています。 このコンパイル時の「警告」がなくならねば、電子書籍としては不完全なもので、出版しても不評を買うことになります。 一つ一つ、潰していきます。
参考までに「とにかく始めてみよう」の変換のログを添付しました。
まとめ
- Kindleプレビューアをパソコンにインストールしました。
- このプレビューアのサブプログラムKindleGenでKindleフォーマットの電子書籍の試作をしました。
- プレビューアを使い、試作書籍がKindle端末でどのように見えるかを確認できました。
- KindleGenでファイルを変換したときコンパイラーが「警告」を出しているなら、この「警告」をなくする事でより良い本になると理解できました。
一応Kindleフォーマットの電子書籍を作る道具がそろいました。 これから写真を添付したり、見出しを文書の中央にしたりと本の体裁を整えていきます。